美しい横顔「Eライン」とは
Eラインとは、美しい横顔を評価する際の指標の一つで、鼻の先端と顎の先端を結んだ直線のことを指します。このEラインの内側、またはそのライン上に唇が収まっている状態が、理想的な横顔とされています。簡単に確認する方法としては、指を立てて「シー」という発音をする際の形にして、鼻の先端と顎を結ぶ位置に当てる方法があります。このとき、唇が指に触れてしまう場合、Eラインが整っているとは言えません。とはいえ、Eラインが崩れているからといって「美しくない」というわけではなく、あくまで美しい横顔の一つの基準にすぎません。
Eラインが崩れやすい歯並びや習慣
出っ歯
前歯が前に突き出ている場合、上唇も一緒に突き出てしまい、Eラインを越えることがあります。これにより、口元が強調され、顔全体のバランスに影響を与えることがあります。
受け口
下の歯が前に出ている受け口では、下唇がEラインを超えてしまうことがあり、顔の印象が変わる原因となります。
上下顎前突
上下の歯が共に前方に突出していると、口元がふくらんで見えることがあり、Eラインを大きく逸脱することがあります。
口呼吸
口呼吸の習慣があると、舌の位置が下がり、歯が前に押し出される傾向があります。これにより、口元の突出が進み、Eラインが崩れてしまいます。また、口内が乾燥することでむし歯や歯周病のリスクも高まります。
日常的な癖
歯を舌で押す癖があると、無意識に歯が移動し、歯並びが悪化することがあります。これが積み重なることで、Eラインが崩れてしまうこともあります。
セファロレントゲンによる頭部全体の診断
横顔の美しさを考慮した治療計画
矯正治療を計画する際には、Eラインを含めた横顔の美しさを考慮するため、「セファロ」と呼ばれる頭部の横向きレントゲンを使用します。セファロ画像では、顎の大きさや位置、歯の傾き、頭と口元のバランスなどを把握できます。この検査によって得られる情報をもとに、歯並びや噛み合わせの問題点を明確にし、患者様に最適な治療計画を立案します。横顔の改善を目指す場合も、セファロの診断結果をもとに具体的な治療方針が決まるため、非常に重要な検査の一つです。
笑顔が素敵な口元「スマイルライン」
歯並びや噛み合わせが整っていないと、スマイルラインが不均一になりがちです。例えば、前歯がかみ合わない開咬(オープンバイト)や、歯がデコボコしている叢生(そうせい)の場合、矯正治療によって歯の位置が適切に調整され、自然なスマイルラインが実現します。矯正治療では、歯を前後左右に移動させるだけでなく、上下にも動かすことができます(挺出や圧下)。これにより、歯の位置や角度を細かく調整し、笑顔をより美しく仕上げることが可能です。